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2019年5月8日の日刊不動産経済通信に弊社に関する記事が掲載されました。
レンタルオフィス世界⼤⼿・IWG(スイス)の⽇本事業を買収したTKPは、IWG⼦会社で国内最⼤⼿の⽇本リージャスを傘下に収
め、提携先のアパホテルらとともにオフィスや宿泊・飲⾷などの機能を持つ複合店舗の出店を加速する。IWGが約110カ国で運営する
3300カ所以上の店舗を⽇本企業に融通する体制も整い、世界市場が射程圏内に⼊った。TKPの河野貴輝社⻑に事業戦略を聞いた。
-国内の市況をどう⾒る。
河野⽒ 今は堅調だが今後は⾒えにくい。ただ東京五輪を挟んで向こう4〜5年に⼤量のオフィス床が市場に出てくる。五輪開催の前後
にホテルや会議室の需要も⾼まる。すでに東京都⼼でまとまった空室が出る事例が散⾒されるが、例えば3千坪のうち1千坪にテナントを
⼊れ、残りを当社が⼩分けにして⽉貸しのレンタルオフィスや時間貸しの会議室にするという使い⽅が増えるだろう。⽶国ではeコマース
の急増で⼤型商業施設の空きスペースがコワーキングオフィスに変わっており、⽇本も同じ流れになる。
-収⽀の内訳は。
河野⽒ TKPの19年2⽉期の売上⾼は約355億円で、そのうち約5割が会議室などの室料、2割がケータリングなどの料飲、1割
強が宿泊という割合だ。会議室以外の付加サービスが年々伸びている。
-⽇本リージャスを傘下に組み⼊れた。
河野⽒ TKPとリージャスの国内店舗は合計約400カ所だが、今後10年で1500カ所に増やす。国内のレンタルオフィス市場は
黎明期だが、最後は数を取った者が勝つ。今後、TKPの既存会議室の半分をリージャスブランドに転換する。TKPとリージャス、アパ
の複合店舗を増やし、仕⼊れや運営を合理化する。リージャスの顧客の約4割は海外の有名企業であり、出張や会議などの⼤きなインバウ
ンド需要も期待できる。売上⾼は3年後に1000億円を超える⾒通しだ。
-具体的な出店戦略について。
河野⽒ ⼤阪・梅⽥や仙台駅⻄⼝に今後開業する施設のように、3ブランドが合同出店する形が主軸になる。リージャスのブランド⼒が
あれば好⽴地の有名ビルにより良い条件で⼊居できるようになる。今後1〜2年は新規出店よりも全国に12万坪あるTKPの会議室を
リージャスに転換する作業を重視する。時間貸しと⽉貸しの会議室やホテルを併⽤して施設の年間稼働率を平準化しつつ、売り上げを⽴体
的に増やしていく。
-国内でも競合他社が増えている。
河野⽒ レンタルオフィス事業は単体では儲からず、広域的に数を増やして初めて利益が出る。今は⼤⼿デベロッパーも市場に参⼊して
いるが、最後は当社とウィーワークの⼀騎打ちになるのではないか。
-新規事業を⽴ち上げる考えは。
河野⽒ リージャスは⽶国で銀⾏や⾏政と連携し、出店を増やしている。オフィスを使う会員企業の側⾯⽀援を強化するという観点か
ら、次の展開として⾦融分野に乗り出すことは考えられる。
-経営課題は。
河野⽒ 国内でも定期借家制度の採⽤が広がり、オフィス床を⼩⼝化して効率的に回転させる仕組みの重要性が増している。国際会計基
準(IFRS)ではビルの賃貸期間は債務になるが、リージャスの時限貸し施設なら債務を免除される。⽇本の会計制度も国際標準に近づ
いている。TKPとリージャスの知⾒を合わせ、ビルオーナーに最適な利⽤を提案していく。