貸会議室大手のティーケーピー(TKP)は10月からビル1棟全てをレンタルオフィスやコワーキングスペースとして貸し出す事業を本格化する。従来は既存ビルの空いているスペースを借り上げて転用してきたが、新築ビルをまるごと借り上げ、賃貸料を抑える。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて広がるオフィス分散化の流れをとらえ、事業拡大を狙う。
TKPはすでに福岡市で1棟のビルを借り上げ、レンタルオフィスやコワーキングスペースとして貸し出す事業に乗り出している。東京都内では10月1日に新宿に同様の拠点を開き、21年3月には赤坂、同6月に六本木でも開業する。
TKPはビル内の空いたスペースを会議室やオフィスとして貸し出し成長してきた。ただ都内の「都心・駅近」の好立地にあるビルのオフィスなどは依然として空室率が低く空きが見つかりにくい。1棟全てを借り上げる条件で土地オーナーに新たにビルを建ててもらう方が、コストを抑えながらスペースを広げられると判断した。
大規模なスペースを確保することで、レンタルオフィスなどにとどまらず、イベントスペースやカフェを備えたオフィス空間もつくりやすくなる。TKPはこうした施設を「SPACES」のブランド名で展開しており、まるごと1棟借り上げる施設にも同ブランドを使う。
♦日本経済新聞 WEB
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