車利用の宿泊者に的、「千葉みなと」でホテル23日開業、カンデオ、入浴施設に力。

2013-01-16

日本経済新聞に当社記事が掲載されました。

千葉市の千葉みなと地区でカンデオホテルズ千葉が23日に開業する。運営するカンデオ・ホスピタリティ・マネジメント(東京・港)は宿泊料を比較的安価に抑えつつ朝食や入浴施設に力を入れ、車利用者の宿泊を取り込む戦略をとる。駅からの遠さが災いして何度もホテルの運営会社が入れ替わってきた地区だけに、同社の戦略が奏功するか注目が集まる。

ホテルは商業施設や体育館も含む複合施設「千葉ポートスクエア」の中核施設の一つ。1993年に別の運営会社が開業したが、JR京葉線の千葉みなと駅から徒歩15分と遠いことなどで、運営会社はたびたび入れ替わってきた。

2003年以降はグリーンタワー(千葉市)が運営したが、東日本大震災の後に宿泊客が激減し11年7月に営業を停止。運営会社はカンデオで5社目となる。

カンデオはベッド、朝食、入浴施設にこだわったホテルを全国で10棟展開し、宿泊料金を抑えながら従来のビジネスホテルにはない高級感を売りにしている。カンデオホテルズ千葉の宿泊料は1人1泊朝食付きで8000円前後に設定した。バイキング形式の朝食に60品を用意。6階の露天風呂や大浴場は岩風呂など和風をイメージした内装にした。全270室を2人以上で泊まれるようにした。

建物はバブル期に建てられたため「建物も机などの調度品も品がよい」(中村彰徳取締役)。玄関口や大浴場以外は壁紙の張り替えやマットレスの入れ替えなどで済んだという。数億円の改装費用は建物の所有会社がほぼ負担した。

穂積輝明社長は「京葉工業地域を訪れた会社員、東京ディズニーリゾートや三井アウトレットパーク木更津などに遊びに来た家族客、成田空港から来日した観光客を3分の1ずつ集客する」と話す。駅は遠いが国道には近く「車で移動する家族連れや営業担当者は宿泊しやすい」とみる。

12月から始めた予約はこれらの客層がけん引して好調。穂積社長は「開業初年度に稼働率8割も視野に入ってきた」と自信を見せる。併設するチャペルと宴会場は貸会議室大手のティーケーピー(TKP、東京・新宿)が運営する。企業研修などが増えれば、宿泊との相乗効果も見込める。

ポートスクエアは市中心部にもかかわらずテナントが相次ぎ撤退し空洞化が目立つ。市内のホテル関係者もホテルについて「立地の悪さから海外の団体観光客頼みになりやすい」と指摘する。地区全体の活性化につなげられるか。カンデオの運営の巧拙が問われる。