アジア観光客に照準、旅行業、異業種参入相次ぐ。

2014-02-17

日本経済新聞に旅行業参入の記事が掲載されました。

 日本政府観光局によると、2013年1~10月の訪日外国人客数は前年同期比23%増の866万人だった。このうち観光客は3割増の662万人で、韓国などアジアからが8割を占めた。観光立国の実現にはアジアの旅行者をどれだけ増やせるかが重要だ。

 旅行大手ではJTBがアジアなど外国人向け国内旅行商品を15年までに3000に倍増するなど積極的だ。エイチ・アイ・エス(HIS)も昨夏、タイの国際チャーター便子会社がタイと日本を結ぶ2路線で運航を実施。タイ人の旅行客を増やしている。

 業界では「訪日旅行市場ではベンチャーが活躍する余地は大きい」との声が多い。日本人向けと比べて販売単価が低く収益確保が難しいため、旅行大手は富裕層を主力顧客にするからだ。フリープラスのように低コストでツアーを企画できる力があれば、中間所得者層らも開拓できる。

 ベンチャーでは異業種の強みを生かし新規参入の動きも出ている。例えば、貸会議室大手のティーケーピー(TKP、東京・新宿)だ。今年夏をメドにビジネス需要に特化した外国人向け旅行商品の販売を始める。TKPは国内で大小1260室の貸会議室を運営。海外企業に日本でのセミナーなどに自社の貸会議室を割安な価格で利用してもらい、その後の観光旅行も手配する。

同社の河野貴輝社長は「成長するアジアの大手企業の訪日旅行需要を取り込みたい」と語る。

日本を訪れた外国人客数は13年に推計値で1000万人を超えた。政府の当初目標の10年よりは遅れたが、着実に増えている。政府は今後もアジア向けに観光ビザ発給の緩和などに動く方針だ。訪日旅行は成長市場なだけに、ベンチャー企業が今後も独自の企画力などを生かし事業を拡大しそうだ。