貸し会議室需要堅調、東京・大阪、前年比3割程度の伸び――研修や採用活動活発。

2007-08-24

日経産業新聞に当社の記事が掲載されました。

利用料金にも下げ止まり感

 貸し会議室の引き合いが大都市圏で好調だ。需要期の秋を前に企業の研修やセミナー関連の利用が上向いているうえ、オフィスビル賃料が上昇傾向を続けていることや企業の活発な採用活動が需要につながっている。東京や大阪では前年同期に比べ三割程度引き合いが伸びている。バブル期以降に下落が続いた利用料金にも下げ止まり感が台頭してきた。

 貸し会議室大手のティーケーピー(東京・中央)によると、東京都心部の利用件数は「既存の施設だけで前年同期に比べ二割程度増えた」。この一年で新設した会議室も合わせると、前年の二倍近くに伸びているもようだ。

 貸し会議室の仲介サービスを手掛けるジェイ・エム・エー(大阪市)も「東京や大阪では前年より三割程度引き合いが伸びている」と指摘。札幌や仙台、福岡など地方中核都市での堅調も目立つという。

 会議室の需要は研修や展示会など幅広い分野で好調が目立っている。企業の採用活動関連では、「今春入社した社員の研修や、中途採用にかかわる利用が多い」(大阪の貸し会議室業者)。十月から十一月にかけては、収容人員が百人を超える大型施設への引き合いも目立っている。

 需要好調を受け、大都市中心部では稼働率も上昇している。梅田地区など大阪市中心部の貸し会議室では「従来の五割程度から八割以上に上がるケースも多い」(ジェイ・エム・エー)といい、一部地域では供給不足感も出始めた。

 貸し会議室の料金は、五十席程度で一時間当たり五千―一万円程度が主流。東京や大阪などでは、バブル期に比べて実勢料金が五割以上下がった例もある。オフィスビル賃料が底堅く推移するなかで、貸し会議室を活用する企業も増えた。「オフィスビルに比べ、コストが半分で済む場合もある」(大阪の仲介会社)との見方もある。